11月3日・文化の日の 菌曜日 ならぬ、金曜日。
アニマンダラ・アトリウム Cell-Mandala 第一回 を開催
おかげさまで無事終了いたしました。
募集期間が一ヶ月を切っていたにも関わらず、盛況に終えることができ感謝です。
参加者の皆様、協力スタッフの方々ありがとうございます。
セルマンダラの第一回ということで、前半は
微生物世界を広く俯瞰しながら、アニマンダラとの対応の話をいたしました。
後半は、その中から、生命進化のスタートにあたる " 細菌 " を
ピックアップし、菌の摩訶不可思議な世界の導入を紹介させていただきました。
導入は、前回ブログでも触れた
菌にもいろいろあり、菌の世界は、広大な生命界である
ということや、見えない生命としての菌のお話から・・・。
一般には、菌=微生物として
ざっくりイメージする事が多いと思いますが
実はこの " 微生物 " と呼ばれるカテゴリーには
本当に広範囲な生態を持つ生き物たちがいます。
ご存知のように、生物の分類には、大きく分けて動物界と植物界があり
かつては微生物たちは、とりあえずこのどちらかに分類されていました。
それが可能だと信じられていたんですね~。
ところがです、次第に微生物の世界が詳しくわかるに連れて
植物や動物に分類できない生きものたちが次々発見されたり
そもそも生態メカニズムにあまりに大きな違いがあることから
植物界、動物界と同等の、" 界 " というカテゴリーを
再定義する必要に迫られることになりしまた。
そしてそれは何度も更新され、特に遺伝子による
分子生物学の登場で、その違いが決定付けらていきました。
▲ 三ドメイン ▼ 六界説
微生物の世界はわかるほどに深かった、という、そんな歴史があったんですね。
アニマンダラは、生命の進化と生態系に、水平進化と垂直進化という
進化の大きな流れが構造的に組み込まれていると考えていますが
そのプロセスの階層は生物でひとくくりなのではなく
生物の中で多層になっていると考えています。
一貫したメカニズムがあると同時に、各階層で各階層ごとに異なるプロセスがあり
それ自体が多層のトーテムとして積み上がったのが、私たちに繋がる生命の系譜です。
そして、動物が一つの階層であるように
菌や細菌は異なる階層になっている・・・
ということを感じて頂くための導入の一つとして
そんな歴史のお話なんかもさせていただきました。
そもそも微生物とは言いますが、微生物の立場になってみれば
大きさだけでもトンデモなく違ったりするんですね。
平均的な細菌から見たら、酵母はクジラ並みの巨大生物だったりします。
微生物とは言うけど一括りに出来ないし
しかも、見えない生命は、見える生命以上に不可思議で
私たちの常識感覚を揺るがす世界が待っている・・・
私たちの生命感は、顕在意識的には、目に見える生態・・・
つまり動植物と私たちの日常的な身体感覚で紡がれている、と言えると思います。
しかし、その目に見える生態系を支えているのは
私たちの身体も含め、微生物の世界。
腸内フローラなど、私たちの体に共生する細菌が近年注目されていますが
そもそもそうした細菌だけでなく、私たちの細胞・・・
そのひとつひとつが " 元細菌 " なんですね。
しかも、そんな 細胞自体も、複数の細菌由来 だったりします。
菌は迂闊に踏み込むと、目も眩むような禁断の世界の " 禁 " でもある・・・
今回は第一回目ということで、
そのダイナミズムをお伝えすることを主眼にお話させていただきました。
物理学の世界で、素粒子の世界が明らかになった時
科学者はその日常感覚とかけ離れた世界に動揺しました。
そこまで・・・とは言いませんが、でもそれに似て
そこには日常感覚とは異なる世界が広がっています。
たとえば環状遺伝子で死がない、とか、性もないし
動物で言えば多種同士が遺伝子を様々な方法で交換してしまうため
種の意味がないとか・・・etc.
▲このスライドだけ見るとまた強烈ですが(^^;)
捕食は、消化に失敗したことが共生のきっかけとなったり、
遺伝子を受け取ることになったりします。
生命について、とても考えさせられる世界があります。
その一方で、微生物なのに驚くほど、知性的だったり戦略的だったり
私たちの社会と重なる部分もあったり。その高度さ複雑さが、かえって
菌って何? 私たちって何? 私たちの心って? そもそも私は誰?
というような問いかけを放ちます。
また、根源的な領域ではある種の一貫性が見え隠れします。
例えば、アニマンダラにおける負け組進化論は、菌の世界でも適用できます。
原核生物は、外側が硬い壁に覆われて外骨格的
一方、真核生物は細胞膜が比較的柔らかい代わりに
核を持ち、ちょうど内骨格的展開を見せます。
折角の三回シリーズなので、第一回目は小さくまとめず
今回はあえて微生物界のカオスを
できるだけそのまま味わっていただくことにしました…⭐︎
回を追う毎に、自由度は狭めずに、でもアニマンダラ流の
トーテムとしての構造を表現していこうと思っています。
参加者一人ひとりの中で醸し、発酵させていただけたらと思っています。
第二回はテーマの一つが発酵でもありますし、続けて参加される方は
醸し具合をお話していただけると嬉しかったりします~😊✨
感想色々
今回の参加者の方々の中には、自然農をなさっている方や
植物療法の専門家、自家製で発酵を探求されている方など
日々お仕事や個人的テーマとして
菌と触れ合ったり、関わっている方たちが多数いらっしゃいました。
そうした方々から、
それぞれの経験と実感からの言葉をいただけたのも嬉しかったです。
奄美大島のミキを、砂糖を使わずに作られている方から
感想とともに、お手製のミキもいただきました。感謝です。
そのような参加者の中で、自然農をされていて
日々土の中の菌の存在を感じられている、大西さんから
このようなコメントをいただきました。
参加者の中には同じように興奮を抑えられなさそうな人がたくさんいて、レクチャー後のシェアも懇親会でも大盛り上がりとなりました。
菌、細胞、遺伝子などなど、視野がグーンと広がりましたし、いくつもの菌が活動しているイメージが頭にこびりついて、明日から田んぼや畑で何が見えるのか、何が起こるのか、とても楽しみな感じです。
そしてそして、このセルマンダラは3回シリーズなので、まだ2回あります。来月の2回目も今から待ち遠しいです。菌の世界について知ることでこの世界の意味が少し見えた気がします。何かスイッチが入ったという感じ…(゚∀゚)
また、他に、さまざまな才能を活かして、セラピストをされている方々も
多数参加されていますが、そうした方からも色々と感想をいただきました。
非常に深い感性を持ち、アニマルメディスンたちとも独特の絆を持たれる
HatenaBlog仲間でもある、namiさんもそのおひとり。
彼女はいつも、独自の豊かな感性で、考えさせられる文章をブログに
上げていらっしゃいますが、今回こんな感想を書いていただきました。
spaceopera13seed.hatenablog.com
興味深かったのは、細菌のCGを見て、
名前と細菌の結びつきを感じられたということ。
これはなかなか、興味深い視点だと思いました。
細菌は、遺伝子情報という言葉と最低限の細胞質=体を
細胞壁というカプセルに内包した存在です。
名前は人間のアイデンティー=自己同一性を与えるものですが
遺伝子もまた自己同一性を与える情報です。
また遺伝子は、その生命の時間情報でもあります。
私たちは名の元に記憶(情報)を束ねて、一義的な意味を作ります。
細菌はとてもシンプルな単細胞なので
遺伝子が細菌そのもののアイデンティーと一対一で直接対応しています。
ある意味で、" 名 " と言えるのではないでしょうか。
namiさんの感覚は、もやしもんの沢木とは角度が違いますが・・・
霊(精神)としての " 菌 " の、ひとつの知覚様式の顕れなのかもしれませんね。
spaceopera13seed.hatenablog.com
ちなみに、この " 細菌CG " バイオグラセル と言います。
毎回新しい、グラセルを披露しようかと思っております 💎
また、それぞれ本当に感性豊かな参加者が多く
菌のカオスっぷりに飽和状態となった方も少なくなかったようです。
広大さに圧倒されて、なんだかよくわからないけど興奮したり
でも面白いと感じたり。
感じ方も色々ですが、感性が豊かだからこそ
それぞれ丁寧に、菌のカオスを味わっていただいている模様です。
みなさん素晴らしいです。
第一回目は、こんな感じで、菌界の全体像とアニマンダラでの視点
そして、具体的には細菌界をお話させていただきました。
次回、第二回目は
菌界の巨人(実際に菌の世界では、大きな人たち)である
真菌と粘菌に焦点を当て、発酵や代謝、また、認識や知性の発露
といったものを考えてみようと思います。
第一回のカオスが、少し方向性を持つかな。
でも第三回のウイルスで、もうひと反転、待っているかも…💡
なお、興味があったのに第一回目に参加できなかった
という方がいらっしゃいましたら、DVDを現在製作中です。
全回お申込された場合は、第一回目は欠席扱いとして
後日、DVD完成次第、発送させていただきます。
ご検討くださいませ。📀
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アニマンダラ・アトリウム Cell-Mandala 全三回 | Animandala