なかなか時間が取れず、すっかり間が空いてしまいました。汗
書きたいことは色々ありますが、マニアックな話はまた改めて。。笑
たまにはサクッと読める、ワンアイデア的なお話。
登場するのは、アンドロイド と、そして
ドラゴンクエストやファンタジーでおなじみ、ゴーレム の話。
※ドラゴンクエスト10のゴーレム
前回のアトリウム:AIのレクチャーでもお話ししましたが
AIが、能動的振る舞いをして、あたかも意識を持ったかのような
汎用的に機能できる “ 強いAI ” になるためには
外界と内界を区別し、自己と他者を模倣させる
” 体 ” が必要とされています。
体を持つAI ・それは即ち
アンドロイド(人造人間)のことです。
アンドロイドは AI の完成系であると同時に
AL(アーティフィシャルライフ=人工生命)の
最終形態のひとつ にあたるものです。
神が人や生命を生み出したように、人造人間 は
古代の神話の中で、繰り返し着想されてきました。
ユダヤ教のラビによる、泥や青銅の人形に
言葉(呪文)= 真理・知恵 によって命を与えられる・・・
・・・ゴーレムはその代表です。
※アルゴ探検隊の大冒険に登場するターロス
ゴーレムは、ヘブライ語で ” 胎児 ” 。
ギリシャ神話の青銅の巨人、ターロスもゴーレムの一種とされます。
創造者に使役される為に生み出されものの
厳密な戒律に沿って運用しなければ
創造主に歯向い大惨事となるとされます。
また、ゴーレムに魂は宿るか?
という問いが、しばしば物語に登場します。
アンドロイドも同様に、金属や樹脂といった体に
言葉(プログラム)によって命を吹き込まれた存在
ですから、象徴論的に アンドロイドとゴーレムは
完全に同型対応 している、と言えますね。
エジプト神話のクヌム神や
ギリシャ神話のプロメテウスが
土塊から人間作ったとされますから
▲土塊から人間を作り出すクヌム
ゴーレムは神の模倣であり挑戦そのもの。
自然へと抗う、男なるものの欲望の象徴で
禁忌でもあります。
“
プロイセン地方の伝承では
エリヤ・ヘルムとヤッフェという二人のラビが
ゴーレムを正式な礼拝の人数合わせに使おうと議論をした結果
彼らのゴーレムが見るものすべてに火を付け始め、
簡単な命令すら理解できていなかった。
”
“
ゴーレムは、製造すると自然に巨大化 するとされており
ある伝承では男が ゴーレムを作ったが大きくなりすぎた 為
額に手が届かなくなり止められなくなった。
そこで男はゴーレムに自分の靴を脱がせるように命じ、
ゴーレムがしゃがんだ時に額の文字を消した。
その途端ゴーレムは大量の粘土となって男の上に崩れ落ち、男は圧死した。
”
“ 製造すると自然に巨大化する ”
・・・シンギュラリティを連想させますね。笑
AI、ALの完成形としてのアンドロイド。
それらを思索するとき、その 欲望のルーツ として
人造人間にまつわる神話を深掘りすることは
様々なインスピレーションを与えてくれそうです。