六本木ミッドタウンで、小さな生きもの 関連の
ユニークな展示が同時に2つ開催されていたので、行ってきました。
写真展 放散虫
ひとつは、【生物がつくる形のふしぎ】
写真展「放散虫」~ 小さな ふしぎな 生き物の形 ~
六本木駅8番出口からすぐ、FUJIFILM SQUARE にて行われた展示です。
放散虫は、ちょうど今期アニマンダラで扱おうと思っていたので、特にタイムリー💡
マニアックな展示ですが、ノリとしては夏休みの自由研究に最適なように
子供でも楽しめる演出も取り入れ、誰にでもオススメのイベントになっていました。
放散虫は、カンブリア時代から今も生きている、単細胞生物。
ガラス質の幾何学的な骨格を持つ、美しい生物です。
近年の研究で、小さいながらも、海洋哺乳類や鳥類他、
様々な生命の進化を裏支えし、深く関わりを持っていることがわかってきていて
その変遷が地球環境との連動も指摘され、注目される生物。
分類的には、セルマンダラ で扱う生命体ですが
クジラと繋がりもあったり、ガラス骨格など、興味深いキーワードに溢れています🐋
アニマンダラ2019 では、
放散虫メディスンについて考え、少し詳しく取り上げる予定ですが、
それはともかく、
ユニークで美しい姿をしており、誰でも楽しめる展示会でおすすめします。
🔺写真だけでなく3Dプリンターから作られたフィギュアやアクセサリーも
展示されていて、形を見て、触って感じることもできますよ。
【虫展】デザインのお手本
続いて訪れたのは、同じくミッドタウンにある アートギャラリー
「21-21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2 」で開催中の
【虫展】デザインのお手本 へ行ってきました。
夏休みに、昆虫展が行われるのは定番ですが
“ デザインのお手本 ” という副題があるように、これはかなり趣が違います。
企画監修は、虫好きとしても知られる解剖学者、「バカの壁」の養老孟司氏。
展覧会ディレクターは、グラフィックデザイナーの 佐藤卓氏という組み合わせ。
会場の各所に、黄色いプレートで「養老語録」が貼られています。
養老氏は昆虫マニアで、本当は昆虫学者になりたかったけれど、
潰しがきかないと思い、解剖学者になった人物。
昆虫関係の本も多数手がけていて、実は昆虫の話題
となると、子供のように熱くなる人物でもあります。
アニマンダラにおいて昆虫は、外骨格中の外骨格 。
生きることに、最も最適化された生命体 です。
シンプルにミニマルにそれを徹底していますから
非常に効率的で、機能美にあふれています。
▽三面シアターの巨大昆虫映像
また、生態系において、85%にもなると言われる昆虫は
人間意識の主要な側面を直接反映し、
社会や文明、文化の土台を表した存在 です。
今回の展示では、これまであまり昆虫に見出されることがなかった
デザイン性や機能美、アート性 に焦点を当て、
大規模なインスタレーションを行なっていました。
人間のテクノロジーやアートは、
それ自体が独自に発展、展開してきたと考えられるのが一般的ですが
虫の世界に、その先駆性を見出し、再発見しようというのが、今回の展示です。
アニマンダラの視点では
人間の合理性や最適化自体が、昆虫意識と連動している ので
“ 潜在的に先導している ” のは寧ろ必然。人間の鏡 になっています。
文明の爛熟が来るところまで行き着きつつある今、
それを超えるヒントに、" 自然 " に目が向き
その流れで、虫へと焦点があたるのは、当然かもしれません。
虫は、人間の文明を動かした外骨格意識と繋がっているので
文明の延長上の、残された可能性を見出そうとする衝動と連動
しやすくもあります。
小さな「虫」という、これまで軽んじてきた存在の中に
自分たちが求めるもの、求めてきたものを再発見する。
人間の潜在意識の、これもひとつの顕在化でもあるでしょう。
ただし、ここで発見されるのは 外骨格方向 ですので、外部的というよりは、
人間意識が通常向かってしまう方向における
完成系というか、結晶化に向けたもの、かな。
とはいえ、シンプルさが生む多様性 に溢れていますし、
ある意味で純粋な発露でもあるので、強力でもあります。
今の時期に、このような展示会が行われること自体が
大変興味深く、どのような展示にるのか気になり行ってきました。
虫がとにかく苦手!という人には勧められませんが‥‥
人間の可能性を昆虫に見出そうとするこの展示は、
様々な意味で興味深いものでした。🐜
人間の営みや、文化、文明、アート、テクノロジーに対する
思いを馳せながら、昆虫の隠された側面に目を向ける時間は
普段は気付かない、自分たちの側面を教えてくれるかもしれません。
と、うんちくを書きましたが、放散虫と同様、こちらもよくできています。
多彩な表現で理屈なしに楽しめる展示会 です。☛ 虫にゾワゾワしすぎなければ。。
でも、人によっては今までの虫に対する印象が、変わるかもしれません。
虫展は動画がありますので、気になる方は、こちらをご覧ください。
iPhoneで簡単に撮影編集したものですが、会場の臨場感は、
伝わるのではないかと思います。🐛
まだまだ残暑が厳しい季節ですが、
放散虫と併せ虫展へも足を運ばれては如何でしょうか?
どちらもミッドタウンなので、六本木駅の地下を歩いて
FUJIFILM SQUAREに向かい、また地下に戻って
21-21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2 へ行けば
殆ど地上に出ることなく、両展示を観られますよ。
オサレエリアなので、デートにも向いています…♡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
❶
東京は、8月22日まで。
六本木 ミッドタウン FUJIFILM SQUARE
関西では、9月13日〜19日
富士フィルムフォトサロン 大阪
入場無料
❷
21_21 DESIGN SIGHT | 企画展「虫展 −デザインのお手本−」
六本木 21-21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
7月19日〜11月4日
大人 1800円